ある心理学に元づく美的発達を自分なりに考察してみた。

こんにちは。another sense.中の人です。

今回はアートビジネスのためになる本を読んでとても印象深かったことがあったので、自分なりに深堀りしてみました。

それは、認知心理学アビゲイル・ハウゼン教授の『ビジュアル・シンキング・ストラテジー』研究の美的発達5段階について。

第一段階『説明の段階』

感覚や記憶、個人的な連想を用いて作品を観察し、物語をその中に見つける。感情によって作品を判断する。

第二段階『構成の段階』

自分自身の直感、および知識や社会的な価値観によって作品を理解する枠組みをつくる。作品が理解できないときは、価値も見いだせない。

第三段階『分類の段階』

十分な情報と知識を持ち、芸術を分析して分類する。芸術に関する歴史的な事実、芸術理論、技術的な事実などに興味を持つ。

第四段階『解釈の段階』

第二段階の枠組みと第三段階の知識を合わせもち、芸術に対する関係を築く。抽象的・隠喩的な可能性の解釈も行う。

第五段階『再創造の段階』

成熟し、哲学的な心を持ち、これまでのすべての思考と感覚の全てを具現化する。客観的であり、主観的な見方ができる。

※本より抜粋

ハウゼンの説明によれば多くの鑑賞者は第一段階~第二段階までの感覚で高度な鑑賞力を持ち合わせていないというらしいです。

つまり、鑑賞者にとっては作品を観た時の印象、好み、作品のストーリーや社会的価値で理解するようです。

つまり、美的発達がなされていないということでしょう。。

なぜか…?

中学生くらいの生徒たちが課外授業で美術館や博物館に訪れるのを、たまに見ることがあるのですが、先生は生徒たちにメモを渡し、それぞれ内覧させるだけの授業をさせていました。

わたしも学生時代そんな感じでメモを手に内覧して、後に感想文として提出させる課外授業を受けていた経験があります。

もう20年以上前です。

ということは、美術の課外授業に関していえば20年前から何も変わっていないということですね。教科書だって4年ごとに改訂されているのに、授業方法がなにも進歩していないということでしょう。

先日、私はスペインに行ったときのこと、現地での美術館に立ち寄ったのですが、同じように中学生くらいの学生たちを見かけました。専門の生徒たちは絵画の前に座り、先生とキュレーターが絵画の説明をしたり、生徒たちへどう感じたのかなどを聞いてみたりと、双方とても熱心な授業を行っていたのを覚えています。

私はこの時点で、アートで磨くはずのクリエイティブ脳を作れていない日本の現実を感じました。アートを感じるにはその方法を知らなければいけません。もちろん自身独自の方法を持っている人はいると思います。自身独自の方法を開拓するのはある意味才能でしょう。

ですが、アートを鑑賞しクリエイティブな感性を鍛えることこそセンスを磨くということです。

モノづくりをしている私に、周囲から「私はセンスないから」と自信なく言う人の声を聴きます。

そんなときに私はいつも違うと言いたい。

センスは才能では有りません。きちんとした教育をしてなかった学校側、教師が20年以上も変わらない手抜き課外授業しかできなかった結果だと思います。

人間の認知や心理に関しては、まだまだ未知の部分が多いです。それ故に、自己啓発についての本やセミナーがたくさんあります。

各々の心を成熟させ、社会に巣立つための教育自体がまだまだ未熟なのかもしれない。

 

今回の参考書籍データ

『銀座の画廊オーナーが語るアートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』髙橋芳郎氏 著書

発行;サンライズパブリッシング

発売;星雲社

 

 

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