【中の人のよもやま話】題名のない小説(その2)

翌朝、夏休み明け最初の登校日。

学校に遅れまいとあわてて階段を駆け下りて…。

なんてことは僕はしない。

早寝早起きは昔からおばあちゃんの得意技で、小さい頃から厳しく躾けられているおかげだ。

 

「忘れ物は無いよな。もしあったらこーだからなっ」

と、グーを頭の上にかざして嬉しそうにうそぶくおばあちゃん。

もー…僕もうそんな子供じゃないよ。

「行ってきまーす!」

そんなおばあちゃんを華麗にスルーしていざ登校。

 

——————————–

 

「このことは誰にも言わないでいてくれる?」

 

学校へ行く道すがら、僕は昨晩あの子が言った事を頭の中で繰り返していた。

元々寝つきの良い僕はふとんに入るとすぐにあの子のいる世界に入っていった。

 

そこは海の砂浜。

あの子はザザーっと静かに打ち返す波を見ていた。

僕が「隣に座って良い?」って聞くと、コクリと頷いた。

 

ザザーーーーーーーッ…

    サーーーーーーーッ…

ザザーーーーーーーッ…

    サーーーーーーーッ…

 

どのくらい時間が経ったんだろう。

ずっと体育座りしていると結構疲れてくるもんだ。

「ねぇ」

 

ザザーーーーーーーッ…

    サーーーーーーーッ…

 

「ここで何してるの?」

 

ザザーーーーーーーッ…

    サーーーーーーーッ…

 

たった数秒間がとても長い時間のように思えた。

「見守っているの。」

 

ザザーーーーーーーッ…

 

「何を?」

 

    サーーーーーーーッ…

 

「ふふふ……」

 

ザザーーーーーーーッ…

    サーーーーーーーッ…

 

訳の分からない僕をチラッと見て少しくすぐったそうに笑った。

…僕ってバカにされてんのかな。

ちょっとムッとして悲しい気持ちになった僕に対して

「もう帰らなきゃ。」

と、あの子は言った。

「え?帰るの?家ってどこなの?名前まだ聞いてなかったよね?」

と、尋ねた僕に、

「またね。」

ただ、あの子は軽く手を振っていた。

 

そして最後に「このことは誰にも言わないでいてくれる?」

…僕が返事をしようとする前に目が覚めた。

 

もう朝だった。

 

その3に続く

 

 

 

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